DREAM

ep23 煙草

「腹ごしらえした事だし、一服したら仕上げるかぁ」

通信機器材、設定設置は終わりアトはパーツを置き場に配置すれば完了である。
ツナギに着替え車庫へ。

「まずは一服イップクっと」

カキィン!シュボ。

いつものツナギに着替えたナオが言う。

「レオって部屋では吸わないけど、外では結構煙草吸うでしょ」

若干、目をつらせながら問う。

「そ、そぉかなぁ」

愛車を見ながらの一服は良い。



フォーーーン、フォフォーーーン!

「今日も走ってるなぁ、二輪」

昼間、馴染みの峠でお菓子を食べながらギャラリーをする。
昼は二輪、夜は四輪のステージと暗黙の掟がある峠。

「レオさん、また二輪で来てくださいよぉ」

若くして二輪レースに出場しているTクン。
バイクと同じカラーリングのタバコをいつも吸っている。
二輪と四輪の乗り手同士は仲が悪い、とヨク聞くがこの峠では当てはまらない。

「そぉだなぁ、また機会があったらね」

人懐っこい性格で、いつも笑って話しかけてくれる。

いつも。


これで何回目かな、ここで手を合わせるのは。

雨の日だったらしい・・・。

いつも吸っていたタバコを供える。
同じタバコを吸ってTクンがどんな・・・。



シャッターの外へ出る、いい天気である。

「ナオォ、もう1本イイかなぁ」

ゆっくり吸い、ゆっくりはく。

青い空を見上げながら。

ep22 朝食

カラカラカラ・・・

ガレージから居間を覗き込む。

「ナオは、まだ起きてないかな」

朝食の用意でもするか、昨日は疲れたろうから。

「ユウ、ちと朝食食べてくるわぁ」

片手を挙げ家の中に入る。
ユウはレオの背中を見ながら手を振る。


得意の茹で玉子でサラダでも添えるか。

「何時頃に起きるんだ?ま、いいか」

電気ケトルに玉子2つ入れ、スイッチを押す。

「ナオは黒糖だったよなぁ、有ったか・・・な」

コーヒーの薫りが部屋中に広がる。


ガッタン!

「な、なんだぁ!」

音がして数十秒後、ナオが目を擦りながらキッチンに姿を表した。

「おぉはぁよぉー」

ピンクの熊柄パジャマ姿で、アライグマのヌイグルミを抱えている。

「いい薫りぃ、レオ朝食作ってるのぉ?」

そうとうお疲れの様で・・・

「そそ、もぉスグ出来るから顔でも洗ってて」

「そぉするぅー、ふぁぁぁ」

そぉ言いながら背中をかく。

「ナオ、パンツ見えてるぞぉ」

「はぁぁぁい」


モールで新調したパジャマ姿を見せたかったのであろう。
ナオなりの朝食を作ってくれるレオへのサービスである。

そぉ言えば、ナオのパジャマ姿は初見。
アニマルが好きなの・・・か。

「あぁ、すっきりしたぁ」
「朝食出来たぁ?」

パジャマ姿のままコッチに来るナオ。

「レオにコーヒー作らせると、砂糖何杯入れられるか分かんないもんねぇ」

うっ!

普通4杯では・・・

「レオォ、早くしないとTV始まっちゃうよぉ」

ナオお気に入りの番組があるらしい。


「いっただっきまぁす」

TVを見ながらパンを頬張るナオ。
ナオのパジャマ姿を見ながら朝食を食べるレオ。

久しぶりの1人ではない朝食。

ep21 特別

ボボボォー、ボボッ。

家の近くにある、お気に入りのコンビニ。
国道に隣接している為、駐車場が広く大型トラックがヨク停まっている。

「お疲れ様です」

駐車場にはバックで入れる。

「何にしようかなぁ、新しい特選デザートとか有るといいなぁ」

ユウは相変わらず、手のひらにメモを・・・。

こっちを向くなり片手を突き出し

「みなさん、おはようございます。今朝はコンビニに来ています」

・・・へ?

「お客さんにアンケートをしようと思います、あなたがこのコンビニを選ぶ理由は?」

ムムム、どこからそんな情報を・・・
え、えー

「買い物をするとポイントが貯まるのとぉ」
「キャンペーンでお気に入りキャラクターが結構あるからです・・・」

またもやメモを。

・・・あ、あのぉー続きはー・・・

メモ書きを邪魔しちゃ悪いからイクか・・・な

バムッ!

ドアを開け、足を一歩踏み出す。

この感覚は自分なりに特別な感触がある。
ステップから地面は、ほんの僅か90mm前後。
セヴンも車高を低くしてあるが、07は更に地面との近さを感じる。
身が引き締まる瞬間。

「さぁーて、何があるかなぁ」

朝食だから、バター入りクロワッサンでも。
コーヒーは有るから、あとはデザートか。

「んー、新商品みたいだけどあまり代わり映えしない・・・な」


買い物を済ませ店のドアを開ける。

おおお、いつの間に。
07の隣には2ドアの外車が。

「高いんだろうなぁ」

と、思わず店の出入り口に有る灰皿の横で煙草に火を付ける。

カキィン!、シュボ。

ユウが車の後ろにPガール風に立ち、微笑む。

「私のほうがステキでしょ?」

「あぁ」


「特別なんだよなぁ、やっぱり」

幾ら新型車と対峙し後塵を浴びていても、その特別は違う。

真の赤、佇まい。

異質であり、特別。

ホワイト・アルバム2