ep20 一服
キュルッ、ボボボボボボォー。
スタンドの壁際にノーズを入り口側にして停める。
若干の傾斜が有り、前が下がってカッコイイ。
「やっぱ、こぉーだろぉー」
U字クンが店のドアを開け、見に来た。
「いやぁー、良いですねぇ佇まいが」
「いつも置いてくれるとお客さん増えるかも」
やはりお客さん、減ってるの・・・か。
ユウが車の横でポーズをとる。
「U字クンには刺激が強いな」
「あんまり煙草吸わないでねぇ」
ユウなりに気を使ってくれてるのが嬉しい今日この頃。
軽く手を挙げ返事をする。
ガソリン代を払い自販機の前。
「やっぱり珈琲はコレだな」
ミルク入りの小さい缶珈琲。
「レオさん甘党だからなぁ、ボクはコレで」
「お、お茶?どぉーしたのぉ」
U字クンは若干俯きながら話す。
「最近、お腹が気になってねぇ」
ちょっと見、すらっとした体型だけど。
「ひょっとして、アレだな」
「いやいや、勘弁してくださいよぉー」
あはは。
ブブブブブブゥー。
「お、お客さんだ」
軽く身を翻し、ドアを開け対応する。
「さすがU字クン、やるなぁー」
ユウが両腕を振っている。
「そろそろ帰るか」
結局煙草に火を点けず、スタンドのドアを開ける。
「U字クーン、そろそろ行くわぁー」
忙しそうに車のフロント・ガラスを拭いている。
「もっとゆっくりしていけば良いのにぃー」
「又寄ってくださぁーい」
真面目な人である。
「じゃぁ、又ぁー」
キュルッ、ボボボボボボォー。
「早朝で車は少ないが、出る時は確認っと」
窓越しにU字クンが手を振ってくれているのが見える。
オイラも手を振る、何故かユウも・・・。
「朝ごはんは何にするの?」
ユウが聞いてきた。
「そぉーだなぁー、帰り掛けに買って行くか」
コンビニでパンとデザートを。
ep19 給油
バイパスを降り、街中に入る。
スタンドの近くまで来て開いているか確認。
「ロープは張って無いな、U字クン来てるぞ」
ボボボボボォー。
赤いトラッキンを洗車中。
音を聞くなり、いつもの笑顔で片腕を挙げながら出迎える。
「おはよーございますぅ、レオさん」
「どぉーしたの?凄い車ですねぇ」
U字クンには初お披露目だったな。
「あはは、オイラの車なんだぁ」
「ハイオク満タンねぇ」
オイラがロータリー乗りでアルからか、大のロータリーファンである。
「いやー、傷付けられないから給油も怖いなぁ」
背も高く童顔でジャニーズ系なU字クンは気も優しい人である。
「えー!60L位入りますよぉ、見た目もそぉだけどタンクも・・・」
「ま、ロータリーだからねぇ」
ユウは車の横に立ってU字クンを触っている。
「あああ、一体ナニをぉーーー」
U字クンには見えないところが・・・。
「フフフッ、U字クンって背が高ぁーい」
グラサンは外した方が良いのかも・・・。
「レオさん、いつもの様に洗車してく?」
いつものオイラは給油時、洗車用具を車に積んでくる。
さすが店長、太っ腹。
「今日は洗車イイよぉ、いつもありがとね」
「しかしコックピットも、カッコイイー」
「ちょっと座っても良いですか?」
すかさずユウがナビシートに座る。
「可愛いなぁ、ユウは」
ステアリングを握って、シフトを掴む。
各ペダルの位置を確認しながら運転デモを繰り返すU字クン。
「いやー、シート高も低いしステアリングの角度も良いですねぇ」
「ドア開けると、すぐ路面が有るのがビックリですよぉ」
全高が低くLamborghiniと同じく1070mmに設定しているのである。
「なんなら近くを廻ってくる?」
「いえいえ、ぶつけたら大変だし店も空けられないから」
バスッ!
ドアを閉め、店内へ歩き出すU字クン。
「中で珈琲でも、どぉですか?」
そー言えばU字クンも煙草吸うんだったな。
「そぉーだねぇー、一服イップクっと」
ユウがドライビング・シートで運転する真似をしている。
ep18 早朝
